消防法(抄)
昭和23年7月24日 法律第186号 最終改正
平成18年6月14日 法律第64号 最終改正
第一条(目的)
この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
第二条(用語の定義)
この法律の用語は左の例による。
7 危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。
第十条
指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。
4 製造所、貯蔵所及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、政令でこれを定める。
第十一条
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。
一 消防本部及び消防署を置く市町村(次号及び第三号において「消防本部等所在市町村」という。)の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(配管によつて危険物の移送の取扱いを行うもので政令で定めるもの(以下「移送取扱所」という。)を除く。) 当該市町村長
二 消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(移送取扱所を除く。) 当該区域を管轄する都道府県知事
三 一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所 当該市町村長
四 前号の移送取扱所以外の移送取扱所 当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事(二以上の都道府県の区域にわたつて設置されるものについては、総務大臣)
別表第一 (第二条、第十条、第十一条の四関係)
類別 | 性質 | 品名 |
第1類 | 酸化性固体 |
1.塩素酸塩類
2.過塩素酸塩類
3.無機過酸化物
4.亜塩素酸塩類
5.臭素酸塩類
6.硝酸塩類
7.よう素酸塩類
8.過マンガン酸塩類
9.重クロム酸塩類
10.その他のもので政令で定めるもの
11.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第2類 | 可燃性固体 |
1.硫化りん
2.赤りん
3.硫黄
4.鉄粉
5.金属粉
6.マグネシウム
7.その他のもので政令で定めるもの
8.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
9.引火性固体 |
第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 |
1.カリウム
2.ナトリウム
3.アルキルアルミニウム
4.アルキルリチウム
5.黄りん
6.アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く、)及びアルカリ土類金属
7.有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。)
8.金属の水素化物
9.金属のりん化物
10.カルシウム又はアルミニウムの炭化物
11.その他のもので政令で定めるもの
12.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第4類 | 引火性液体 |
1.特殊引火物
2.第1石油類
3.アルコール類
4.第2石油類
5.第3石油類
6.第4石油類
7.動植物油類 |
第5類 | 自己反応性物質 |
1.有機過酸化物
2.硝酸エステル類
3.ニトロ化合物
4.ニトロソ化合物
5.アゾ化合物
6.ジアゾ化合物
7.ヒドラジンの誘導体
8.ヒドロキシルアミン
9.ヒドロキシルアミン塩類
10.その他のもので政令で定めるもの
11.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第6類 | 酸化性液体 |
1.過塩素酸
2.過酸化水素
3.硝酸
4.その他のもので政令で定めるもの
5.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
備考
一 酸化性固体とは、固体(液体(一気圧において、温度二〇度で液状であるもの又は温度二〇度を超え四〇度以下の間において液状となるものをいう。以下同じ。)又は気体(一気圧において、温度二〇度で気体状であるものをいう。)以外のものをいう。以下同じ。)であつて、酸化力の潜在的な危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すもの又は衝撃に対する敏感性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すものであることをいう。
二 可燃性固体とは、固体であつて、火炎による着火の危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すもの又は引火の危険性を判断するための政令で定める試験において引火性を示すものであることをいう。
三 鉄粉とは、鉄の粉をいい、粒度等を勘案して総務省令で定めるものを除く。
四 硫化りん、赤りん、硫黄及び鉄粉は、備考第二号に規定する性状を示すものとみなす。
五 金属粉とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄及びマグネシウム以外の金属の粉をいい、粒度等を勘案して総務省令で定めるものを除く。
六 マグネシウム及び第二類の項第八号の物品のうちマグネシウムを含有するものにあつては、形状等を勘案して総務省令で定めるものを除く。
七 引火性固体とは、固形アルコールその他一気圧において引火点が四〇度未満のものをいう。
八 自然発火性物質及び禁水性物質とは、固体又は液体であつて、空気中での発火の危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すもの又は水と接触して発火し、若しくは可燃性ガスを発生する危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すものであることをいう。
九 カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム及び黄りんは、前号に規定する性状を示すものとみなす。
十 引火性液体とは、液体(第三石油類、第四石油類及び動植物油類にあつては、一気圧において、温度二〇度で液状であるものに限る。)であつて、引火の危険性を判断するための政令で定める試験において引火性を示すものであることをいう。
十一 特殊引火物とは、ジエチルエーテル、二硫化炭素その他一気圧において、発火点が一〇〇度以下のもの又は引火点が零下二〇度以下で沸点が四〇度以下のものをいう。
十二 第一石油類とは、アセトン、ガソリンその他一気圧において引火点が二一度未満のものをいう。
十三 アルコール類とは、一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む。)をいい、組成等を勘案して総務省令で定めるものを除く。
十四 第二石油類とは、灯油、軽油その他一気圧において引火点が二一度以上七〇度未満のものをいい、塗料類その他の物品であつて、組成等を勘案して総務省令で定めるものを除く。
十五 第三石油類とは、重油、クレオソート油その他一気圧において引火点が七〇度以上二〇〇度未満のものをいい、塗料類その他の物品であつて、組成を勘案して総務省令で定めるものを除く。
十六 第四石油類とは、ギヤー油、シリンダー油その他一気圧において引火点が二〇〇度以上二五〇度未満のものをいい、塗料類その他の物品であつて、組成を勘案して総務省令で定めるものを除く。
十七 動植物油類とは、動物の脂肉等又は植物の種子若しくは果肉から抽出したものであつて、一気圧において引火点が二五〇度未満のものをいい、総務省令で定めるところにより貯蔵保管されているものを除く。
十八 自己反応性物質とは、固体又は液体であつて、爆発の危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すもの又は加熱分解の激しさを判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すものであることをいう。
十九 第五類の項第十一号の物品にあつては、有機過酸化物を含有するもののうち不活性の固体を含有するもので、総務省令で定めるものを除く。
二十 酸化性液体とは、液体であつて、酸化力の潜在的な危険性を判断するための政令で定める試験において政令で定める性状を示すものであることをいう。
二十一 この表の性質欄に掲げる性状の二以上を有する物品の属する品名は、総務省令で定める。
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