雷現象
雷現象は複雑で現在でも科学的に不明な点も残っている。通常の場合、雷放電は先ず雲から光の弱い先駆放電(ステップリーダー)が出発し、それが大地に向かって進展し、その先端が大地に接近したとき大地側からストリーマー(線条・先行放電)が出発し、両者が結合した途端大地から多量の電荷が先駆放電路に注入され、いわゆる主雷撃となる。こうして雷雲内の電荷と、大地側に誘起された電荷が互いに放電しあい、中和する一連の現象が雷現象であり、この現象は互いの電荷が完全に中和する迄続き、中和すると共に終了します。
雷雲の種類
雷放電発生の源
(1)雷雲(積乱雲)
(2)雪嵐・砂嵐・火山爆発 等
雷撃の種類
(1) 熱雷
太陽に強く熱せられて地表面付近の空気の温度が著しく上昇した場合に生ずる(主に夏が多い)。
(2) 界雷(前線雷)
温かい大気層の上方に冷たい空気(寒冷前線)が侵入した場合に生ずる。(下記以外の雷は多くは寒冷前線の通過にともなって生ずる)
(3) 熱的界雷
熱雷と界雷とが重なって生ずる。
(4) 渦雷
発達した低気圧や台風の上昇気流によって生ずる別名低気圧雷とも呼ばれている。
雷撃の種類
(1) 直撃雷
もっとも大きな被害を引き起こす「落雷」。雷放電による電流の大部分が物件を通過して流れ、人体・建造物・樹木等に対する影響が大きい。
(防護方法)
物体自体叉は近傍に有効な避雷設備を設ける。
(2) 側撃雷
(A)雷の主放電路から分岐した放電路が物件を通る場合。
(B)高い樹木などに落雷した場合、雷電流によって樹木の電位が上昇し、付近の物件に向かって再放電する場合。
いずれも直撃の場合より被害程度は少ないが、(B)の場合樹木よりも物件のほうが電気抵抗が小さいと、大部分の電流が物件を通り直撃に近い被害を受ける。
(防護方法)
物件自体叉は近傍に有効な避雷設備を設ける。叉は物件を遮へいする。
(3) 誘導雷
落雷叉は雲間放電によって、雲底の電荷が急に中和消滅すると、物件に誘導されていた電荷も大地に向かって流出する。 この場合物件がよく接地されていないと物件の電位が瞬間的に大地より高くなり物件と大地間に放電を生ずる。 現実的な被害を生ずることは少ないが、可燃物に対する引火の危険はかなり高い。
(防護方法)
物体をよく接地する。
(4) 侵入雷
送電線叉は配電線に落雷した場合、雷電流が導体上を進行し物件に到達し物件の内部で大地に向かって放電する場合がある。 人家・工場などではこの形式の被害を受けることが比較的多く、電気的影響を受けやすい近年のハイテク機器。
(防護方法)
電線路に避雷器を設ける、叉は発電中の受電を停止する。
雷誕生
雷を起こさせる雷雲は、上空でぶつかり合う氷の粒が、その摩擦で帯電することによって発生します。落雷の電力は、季節や雲の規模・高度によって異なりますが、平均およそ90万メガワット。ふつうの規模の発電所の発電力がおよそ100 メガワットですから、いかにそのエネルギーが巨大かがわかります。落雷の頻度はというと、地域によってかなりの差がありますが、地球全体で1日平均5万回と推定されます。ただし雷のすべてが地表に落ちるわけではありません。雲の内部で放電するものも含めると、雷の発生件数は見当もつかないほど膨大な数に上ります。雷とは、地球上で最も身近な自然現象の1つなのです。自然現象といっても、現代では知識と知恵によって充分な対策ができます。
天のフラッシュ・パワー
落雷の平均的な電流を私たちになじみの深い数字で表すと、およそ5万アンペア。60ワットの電球を10個つけたときの電流が6アンペアですから、ざっと8万個あまりの電球を灯せるだけの電流を、雷は一瞬のうちに放出するわけです。それだけにその破壊力はすさまじく、小型ジェット機を直撃して墜落させるくらいの威力をもっています。避雷針を設置していない住宅ではテレビアンテナに落雷することが多く、電源がショートしてテレビが爆発、火災にいたるという事故も少なくありません。家の中にいるからといっても、避雷設備がなければけっして安心はできないのです。
雷は、あなたのコンピュータを狙っている。
雷はオフィス内の電子機器への被害や故障、誤動作を招きます。
1 直撃雷
2 電源回路から
・高圧配電線から誘起されたサージが柱上変圧器を介して、低圧配電線へ侵入してくる場合。
・柱上変圧器、2種接地の電位上昇により低圧配電線へ侵入してくる場合。
・低圧配電線への直撃雷又は近傍落雷により誘起され侵入してくる場合。
・これらが複合され侵入してくる場合。
3 接地線から
・建物等への落雷により、大地の電位が上昇し、低圧機器の接地線を通じて侵入する場合。
4 信号回路から
・直撃雷や近傍落雷により誘起され侵入してくる場合。
・低圧配電線、その他近接した配線から誘導される場合。
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